日高山脈の最南端にある山で、豊似岳はトヨイ(沼・ある・所)に聳える山を意味し トヨイが訛ってトヨニになった。
沼は断層湖の豊似湖(カムイトウ・トヨニトー)を指している。
三枚岳は一枚岳(787m)、二枚岳(970.6m)、三枚岳(1012m)の3つのピークを庶野から見れば、
重なって、3枚に見えることに依る山名らしい。又オキシマップ山の見える上歌別側からは全体で三枚岳と呼ぶとも言う。
オキシマップ山の山名はえりも町史に依るとオ-キシマ-プ(裾・引き締まった・もの)を意味すると言う。
山裾にはオキシマップ川が流れているがこの川は古くはシロツミ(山・そこで・左右に分ける・川)と呼ばれていたので
この川名はオキシマップ山の裾を流れていると言うことで後から付けられたようである。
国道336号の追分峠から閉鎖された肉牛牧場へ入るとまもなく施錠されたゲートがある。
事前にえりも町役場農業委員会から鍵を借りていたのでゲートを開けて、
ここから約3kmほど入ったところの登山口まで車で入ることができた。
予報では晴とのことであったが昨夜になって雨マークになってしまった。
深いガスに覆われて山の姿は全然見えないが雨は降っていない。
今回は友人と3名での出発となった。
車一台を下山予定地に回し、
斑に雪が残っている樹林帯の中を行くと、C600mあたりからは雪の世界となり、
視界に入るのは廻りのダケカンバだけの深いガスの中を高みへ登ってゆく感じだ。
稜線に上がると3mほど下には建物の屋根が雪面から10cmほど飛び出しているのが
見えるだけで、またダケカンバと雪の世界になってしまう。
C1012へ向かうころからガスも薄くなりあたりの景色が少しは見えてくる。
細い稜線に雪庇が発達している中を歩いているようだ。
1088mのピークを越えるとハイマツが顔を覗かせている中に豊似岳へ向かって一直線に
苅分路のようなものが続く。ハイマツには鉈目も見られ夏路があるのだろうかと
思っているうちに何の変哲もない標柱だけが雪のなかから顔をだしているピークに着いた。
豊似岳だ。風が強いので、早々にオキシマップ山へ向かう。C1093を越えるあたりから
ガスも薄らいでオキシマップ山の下部や豊似岳方向も見えるようになる。
コルまでくると風もなく海岸線も見えるようになってきた。
一寸前に稜線を横断した熊の足跡もあり、熊もそろそろ活動を始めたようだ。
細いダケカンバに囲まれたオキシマップ山山頂も風が強く、視界が無いので
そのまま下りかけたが、写真くらいは写そうと頂上に向けてシャッタを切る。
少し下るとガスも切れ眼下に牧草地が広がっているのも見える。
雪も完全に消え背丈の低いササの中を下る。雪が溶けたばかりのようで地面は
コンクリートのようにガチガチに凍っている。そろそろ牧草地が近づいたころ
から樹林帯に入り牧草地も見えなくり、気が付くとダニが足元から這い上がって
きていた。鹿の糞も至る所に散らばっており、かなりの数の鹿がいるようだ。
今回は雪も締まっており、ワカンを用意したが使うことなくつぼ足で歩けた。
総行程6時間10分の山歩きも終わったが、殆どガスの中の歩行であったので廻りの景色も
堪能できず,印象が薄くなにか物足りない、また、晴れた時に再訪したい。
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