ペンケユクトラシナイ山 ぺんけゆくとらしないやま 1011.1m 2011/1/29
(三等三角点・点名:冷水沢) 登り:1時間30分  下り:40分


沙流川を挟んで沙流岳と対峙する三等三角点の山で点名は「冷水沢」となっている。 点の記には俗称「ペンケユグトラシナイ」とあるが、「ユグ」ではなく「ユク」=(鹿)の間違いであろう。 アイヌ語でペンケユクトラシナイは「ペンケ=上流の・ユク=鹿・トラシ=登る所・ナイ=沢・川」を意味する。 鹿路に関する地名は道内各地に見られ、 風不死岳にある楓沢のアイヌ語名はユクトラシピナイ(鹿がそれに沿って登る涸れ沢)、 また、楓沢の東隣に並行して走っている沢はユクルペシペナイ(鹿の路がこれに沿って下る涸れ沢)で、 アイヌ人達の主要食糧であった鹿を狩猟するための生活に密着した表現であった。

この山の近くではチロロ川の支流にペンケユクトラシナイ沢がある。 千栄地区にあるチロロの巨石(重量:200トン)は、八紘学園の栗林氏がチロロ川の支流のペンケユクトラシナイ沢 からここまで運び出したが、橋の重量制限が問題になり、この場所から運び出す計画は頓挫, 日高町に寄贈されたものである。,

国道274号線を日高側から日勝峠へ向かい、嶺雲大橋を過ぎ、6合目を過ぎた先の 標高730m地点で左側に「四の沢林道」入口がある。 林道入口には「四の沢林道」の表示もある。 林道入口は除雪され4〜5台の駐車スペースが確保されていた。 尾根筋を辿ると971m標高点から頂上までは平坦地の歩行になるので、 尾根の右斜面を真っ直ぐ頂上を目指す。 林道は除雪した痕跡があり両側は50〜60cm程切り立っている。100mも進むと除雪痕跡もなくなったので、 林道を離れ、左手の斜面に入り、真っ直ぐ頂上を目指す。 深い針葉樹林帯ではあるが雪が軽くラッセルも気にならない。 針葉樹林帯の中には地形図にない林道・作業道もあるが、 地形図にある大きな林道を途中で2回横切り、2回目は標高880mあたりで横切った。 林道を横切ってからは登る角度を極端に緩くし、なるべく平坦な頂上台地の歩行を避けるように頂上を一直線に目指す。 頂上手前には北電のロボット雨量観測小屋が突然現れ驚く。夏はここまで林道があるのだろうか? (平成16年にこの三角点を再測量した国土地理院の人達は南側の林道途中から藪漕ぎで本点に到達している) 雨量観測小屋の先で一寸小高くなったところが頂上であった。 頂上からは沙流岳方面は樹木がなく見通しが利くものの、他方向は針葉樹に囲まれている。

[四の沢林道]入口 途中で林道と出会う 深い針葉樹林帯
雨量観測小屋 頂上 頂上から沙流岳