余市岳から派生する尾根上のコブ山。南岳の山名は余市岳の南側にこの山が位置することに依る。
また、山鳥峰は三角点名が山名としても一般的に使われていて、
北海道では山鳥の呼び名で親しまれてきたエゾライチョウに依るのではないか。
かって北海道には、かなりの数のエゾライチョウが見られたようだが、乱獲、生息地の消滅、
生息環境の変化による天敵の増加などにより激減しているようである。
雌雄が峰を隔て別々に寝ると言われる一人寝の代名詞,
山鳥は北海道には生息していない。
定山渓と小樽市朝里を結ぶ道道1号線から豊羽鉱山に分岐する道道95号線に入り、 白井川沿いの道を進む。
白井小屋への左股川出合の先にある「山鳥橋」が入山口。道路脇の雪壁に隠れて橋は見えず、一度は通り過ごして
しまう。Uターン箇所を探しているうちに元山近くまで来てしまった。橋の袂に駐車スペースを見付けて駐車する。
湯ノ沢のあたりにはスノーモービル愛好者がスノーモービル専用に除雪したスペースもある。
橋を渡って林道を進まずに山鳥峰の東側400〜500mから派生する尾根から山鳥峰の鞍部を目指す。
取り付きはかなりキツイ急傾斜を登る。カリカリの雪面はスキーアイゼンが欲しいくらいだが下る頃には
多少は溶けているであろう。標高520mで林道を越えた先からは傾斜も緩くなり、雪質が良ければ帰りの滑降が楽しみな斜面だ。
左手の沢形が切れたころ、尾根筋を外れ真っ直ぐ山鳥峰を目指すと目の前のこんもりした木立の中の頂上に呆気なく到着する。
頂上の尾根筋には4〜5日前のものであろうかスノーモービルの軌道跡が残っている。
山鳥峰からは、少し下ってから、尾根右側の一段下がったところを辿り、緩やかに高度を上げながら南岳を目指す。
なだらかな尾根筋を辿る心は俗世間の外に浮遊している快適なコースで木立の中の頂上に到着する。
木立越しではあるが真っ白な余市岳がすぐ近くに望まれる。
帰路の途中からは、朝の内は煙って良く見えなかった山々が快晴の下、はっきりと見える。
余市岳から白井岳、ヒクタ峰、定山渓天狗岳、烏帽子岳、神威岳、百松沢山、百松沢南峰、
八剣山、簾舞の焼山、目を転ずると無意根山や札幌岳などもよく見え札幌近郊の山々の展望台だ。
林道に出合ってから、多少遠回りだが下りなのでそのまま林道を辿って戻った。
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