下山予定の大雪スキー場にある文化村ロッジの山の家へ車を一台置いて、
低く雲が垂れ込め今にも雨が降り出しそうな中を平山登山口から出発する。
30分も歩いた頃から本格的に降り出す。登山道は支湧別川沿いを進み、
最初に出合う枝沢には鉄パイプを組み立てた橋が架けられ沢の奥には「夫婦の滝」も見えている。
「行雲の滝」更に「冷涼の滝」と続き、暫く登ると「第一雪渓」に到着する。夏には大きな雪渓が残っているのだが、さすがにこの時期では雪渓は見られない。あたりは黄色が主体の秋の気配である。「第二雪渓」の場所を過ぎると稜線も間近い。
稜線に出たところが平山分岐で、左手に進むと平山、右手は比麻良山方向で、晴れていると、ニセイカウシュッペが正面に
見えるのだろうが今日はガスの中。30分程で平山を往復し、比麻良山方向へ向かうころには雨も上がり、
鋭い岩稜を持つ通称アンギラスやニセイカウシュッペの下半分が見え出す。
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夏場には花畑が拡がる広い稜線も、今は深紅のウラシマツツジが拡がっている。20分程進むと「比麻奈山」に到着。
ここはこの稜線上の最高峰で、そのすぐ先でアイヌ語のヒム・オマ、ヌプリ(崖のある山)に依る「比麻良山」に到着する。
このころになると雲も上がりニイセカウシュッペ山が全容を現す。
比麻良山から30分ほどで、大きなケルンが存在感を主張しているだけの文蔵岳に到着する。
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ニセイカムシュッペ山が全容を現す |
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ここまでは、広い稜線にお花畑が拡がる中を気持ちよく歩けたが、
ここから有明山へは、深く入り込んでいる沢を大きく迂回して、
下降(約400m)とその登り返し(約300m)が待っているのが良く見える。
文蔵岳から広い稜線を下るが、踏み跡がお花畑の中に微かにあるような箇所もあり、
稜線上のフカフカの道は足に優しい
そのような道も1570mあたりからハイマツ帯を過ぎ笹藪の中の道となるが、道は広く刈り払われて整備が行き届いている。
所々熊の落とし物も見られ、真新しいものもあり近くにいるようだ。1360mあたりで分岐があり、
右手のほうが太く立派な道に見えるが、左手へ入り、有明山へと緩い登りが始まる。
頂上が近づくと小さなこんもりとした頂上部が見えてくる。登り切るとハイマツ中に、
二等三角点と測量ポールが立つだけの裸地がいきなり現れる。
有明山頂上から、少し先へ進むと、正面に天狗岳の岩稜、南側には支湧別岳〜武利岳〜武華岳の山並が見える。
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有明山頂上 |
天狗岳 |
有明山から急な稜線を下り、急登で岩稜の上に祠が祀られた天狗岳頂上である。
天狗岳からは鉄鎖ハシゴがついた頂上部の急な下りを過ぎ前天狗を目指す。
前天狗ピークを避け反射板が設置されている小天狗を過ぎ、
スキー場のリフト駅を過ぎたあたりから道を離れリフトの下を真っ直ぐ下って車の置いたところへ一直線に進む。
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