浜益地区に聳え立つ二等三角点の独立峰。その姿が富士山のようなので浜益富士とも呼ばれている山。大胆にデフォルメされた、まさにド肝を抜くような富士で、
片岡珠子の特異な姿の富士山を彷彿させる。この山の海岸寄りにある擂鉢を伏せたような山容の擂鉢山と並んで夫婦の山と言われていた。 黄金山の名称は和人がこの辺りに砂金採りに入っていた時代に黄金山と呼ばれていたことに始まる。
アイヌ名は「ピンネタイオルシペ=木原に聳える雄山で、 この辺りは先住民族の遺跡があり、アイヌ伝承文学、ユーカラの発祥地とされ、『ポイヤウンペ物語』の少年英雄ポイヤウンベのチャシ(居館)があった処であると言われている。
また、国指定名勝ピリカノカ【アイヌの物語・伝承、祈りの場、言語に彩られた優秀な景勝地群を、アイヌ語で「ピリカノカ」(美しい・形)と総称して保護する目的で
九度山(クトゥンヌプリ)・黄金山(ピンネタイオルシペ)・神威岬(カムイエトゥ)・襟裳岬(オンネエンルム)
・瞰望岩(インカルシ) ・カムイチャシ・ 絵鞆半島外海岸 ・十勝幌尻岳(ポロシリ) ・幌尻岳(ポロシリ)が指定されている】
にも指定された山でもある。
札幌市から国道231号を北上、浜益で右折して国道451号へ、滝川方面に7km程進んだ地点で左折し、(左折地点には黄金山の案内表示あり)兼平沢林道を約4km走行した林道の終点が駐車場もある登山口である。
登山口は高度200m程で頂上まで550mほどの登りだ。 登山口には立派なトイレと詳しい案内図がある。登山路は南麓の兼平沢の林道から始まり、水場の先で新道と旧道に分かれる(標高395m)。
今回は旧道から登って新道を下る予定なので左(旧道)に進む。 北尾根を目指して進む路は最初は緩やかだが北尾根が近づくとロープ場もあったりと急な登りとなる。急斜面をトラバースするように進んで行くと
新道との分岐(標高 700m)となる。分岐を過ぎるとすぐ、高度感があり展望も利く山頂手前の岩峰の上にでる。岩峰から少し下って登り返すと両側が切れ落ちている頂上到着である。
頂上からは益岳〜郡別岳〜南暑寒岳等増毛山塊が見渡せる。帰路は新道を下ったが滑り易く 慎重に下った。
帰りには林道途中の巨樹「イチイ」 を訪れた。看板と駐車スペースから、 5〜6分歩くと 前方にイチイの姿が見えてくる。 環境庁巨樹・巨木林調査イチイの部で全国第18位になった「黄金山のイチイ」(高さ18m・幹周 5.4m 樹齢1500年)である。
巨樹の力強い生命力を体感できて立ち寄った甲斐があった。因みに、全国第一位の一位は岐阜県高山市荘川町にある治郎兵衛の一位(高さ 15m 幹周 7.95m)で,この他、道内にあるイチイの巨木は士別市の祖神のイチイ(幹周 7.5m)、芦別市の黄金水松公園のイチイ(幹周 6.2m)などがある。 |