朝陽山 ちょうようさん 1370.1m 2012/5/8 登り: 2時間20分
(パノラマ台経由)
下り: 1時間30分

ニセイカウシュッペ山から南に派生する尾根の末端にある 三等三角点の山(点名:色清舞)で麓には層雲峡温泉がある。 朝陽山の山名は1931年(昭和6年)、閑院宮載仁親王がご来道の際に朝陽山(あさひやま)と命名し、 それが現在「ちょうようさん」と呼ばれるようになった。当時、層雲峡までであった道路も親王の の北海道へのご来訪に合わせ銀河の滝まで延長された。

層雲峡温泉街の北側に流れる石狩川に人専用の橋が架かっていて、袂には「層雲峡園地」の看板があり、 数台駐車が可能なスペースもある。 橋を渡ると層雲峡園地で、振り返ると黒岳、凌雲岳が綺麗に見ることができる。 トイレもあり、その横に「パノラマ台登山口」の看板がある。山頂までの標高差は約725m。

層雲峡から見ることができる崖脇の急斜面を250mあまりをジグを切りながら一気に登る。 稜線に出る手前にCATVのアンテナ施設があり、そこを過ぎると緩やかな尾根道となる。 15分ほど進むと分岐があり、右側へ踏み跡を4〜5分ほど辿ると、 三方が切れ落ちた細い岩稜の先端出る。ここがパノラマ台と呼ばれている 岩塔の頂上だが登山道方向からは先が切れ落ちた崖縁の感じである。 層雲峡温泉からは岩塔であることが確認できる。 眼下には層雲峡温泉、その遙か上には黒岳方面の素晴らしい眺めが展開されている。

分岐に戻り、鬱蒼とした針葉樹林帯の中の道を進む。分岐に入ってすぐ先の太い木の脇を抜け、 道はその先に真っ直ぐ伸びているのだが雪解けから起きたばかりのササが寝ていて見つけずらい。 木の根元から左方向にもジグを切る踏み跡らしきものがあったので左折してしまう。 途中で踏み跡も不明瞭になってきたので直登すると、また道と合流した。 1140mで稜線に出てもしばらくは鬱蒼とした針葉樹林の中を進む。 行者ニンニクが至る所に生えている。振り返ると、黒岳を中心とする表大雪の山々が樹間から見えている。  やがて、急な稜線を登り切った頂上台地手前に通行止めの標識があった。 無雪期は背丈を越えるヤブで、下山の際に降り口が判りづらく危険な為、 通行止めの標識が置かれたと思われる。ヤブを漕いだ時の帰りの目印と思われる梱包用の長い紐がササの 間に伸びていて迷宮からの脱出を助けた「アリアドネの糸」を連想する。 幸いなことに雪がビッシリ残っていた。 こんもりとした盛り上がりの上には電波反射板も見えてくる。 頂上台地に出てから10分弱で反射板下に到着する。

対岸には黒岳を中心に白い表大雪の山々の眺望が惜しげもなく拡がる素晴らしい展望の山だ。 反射板の先、途中で雪が切れているが、幸いなことに広い苅分道ができていた。 その苅分道を進んだ雪の中に三角点はあった。ここより高い所も付近にはあるのでポールが無かったら 三角点は雪の中から見つけることはできなかったであろう。 広く除雪してササを起こさないと 三角点は見ることができないので隙間から手を入れ確認する。 下山は登りに踏み外した正規の道を辿るが、パノラマ台分岐の少し手前で頭が無く、内蔵も空っぽのハスキー犬に似た毛皮の動物の死骸を見た。雪の上に小熊連れの足跡も見たので悪い連想が働く。

人道橋 パノラマ台登山口の表示 CATV施設
パノラマ台 パノラマ台から温泉街 頂上台地手前の通行止めの看板

電波反射板 反射板付近の苅分道 三角点 (ポールの下)

表大雪山の展望