大雪山の主峰で、北海道の最高峰でもあり、一等三角点、点名:瓊多窟(ヌタック)の山。アイヌ語でヌタプカウシペ(湿原の上に聳えているもの)が原義のようで、
(山田秀三) 旭川市史では「ヌタプカウシペ」(川の湾曲部内の地・の上に・いつもいる・もの)と解している。ヌタプカムイシリ(川の湾曲部内の・神の・山)とも言われていて、その両者が混合してヌタプカムシペとなり、ヌタプカムシュペと俗解されるようになった。(知里博士)
ゴンドラ駅のある旭岳温泉へは、旭川鷹栖I.C.〜道道旭川・旭岳温泉線経由で旭川鷹栖I.Cから約1時間。
旭岳温泉は、大正3年(1914年)に、湧出が発見されて勇駒別温泉と呼ばれるようになり、 1982年 勇駒別温泉から旭岳温泉に改名 された。呼び慣れた名称の変更には古いものへの郷愁と愛着があり抵抗を感じるのは私だけなのだろうか?
ユコマンベツはアイヌ語で「湯に向かってゆく川」を意味するという。
約10分ほどのゴンドラ乗車で姿見駅につく。 姿見駅から、姿見の池までは右回りのコース(700m)と池を巡る左回りのコース(1000m)がある。 登りは右回りで、戻りに左回りのコースを取ることで出発。チングルマ・エゾノツガザクラの混合群落が拡がる中の道はとても気持ちが良い。 僅かに花をつけたチングルマが見られるが、殆ど花の終わった実が風になびいいていて、田中澄江の花の百名山の一節が思い出される。
「・・・チングルマの花は早や早やと散って、花柱が伸びて羽毛のように空にむかってそよいでいた。」
姿見の池から登山道に入ると火山礫の道となり、左手に地獄谷、右手に忠別岳〜トムラウシ山を眺めながら、ひたすらの登りとなる。 七合目付近からは、忠別岳・トムラウシ山、奥には十勝岳連峰が見えるようになる。九合目を過ぎると傾斜も緩くなり、右手に「ニセ金庫岩」と呼ばれる正立方体の岩が現れ、
ここで左にカーブを切ると今度は左手に「金庫岩」が現れる。金庫岩を過ぎると山頂もすぐである。三角点は選点100年を迎えたということで記念のパネルが埋まっていた。
お天気に恵まれて、山頂に三々五々、陣取った人々が360度の展望を楽しんでいる。突然、 雲が湧いてきて、当麻岳・安足間岳・比布岳・北鎮岳・黒岳・熊ヶ岳・後旭岳・赤岳・白雲岳、高根ヶ原、トムラウシ山、十勝岳連峰と続く山々も見えなくなってしまった。噴煙を上げる地獄谷も見る見るガスの中になってしまった。
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