余市岳の隣にある二等三角点の山で点名も阿女鱒岳。かっては麓に明治鉱山と轟鉱山があったが、
今ではその面影を見ることはできない。轟鉱山では、最盛期には人口1,000人程の街が形成されていたようである。
ここで、新鉱物が発見され、轟石 (北大理学部蔵) と命名された。
轟石は真っ黒で羽毛模様のある鉱物(酸化マンガン)で脆く、崩れやすい。今でも、世界中でこの名が使用されている。
山頂の北西にあるガローの沢源頭には爆裂火口と思われる馬蹄形の窪地が見られる。
阿女鱒の山名はアメマス沢川の源頭にあることに因る。この川には阿女鱒、
いわゆる「イワナ」、それも、大型のものが多かったのであろう。「イワナ」と「アメマス」
の区別は降海したものや湖のものをアメマス、陸封されたものをイワナと呼ぶ。外見上のアメマスとイワナの区別は、
斑点が瞳孔よりも大きなものをアメマス、小さなものをイワナと呼ぶのが一般的のようである。
椴山は阿女鱒岳から派生する尾根上にある886.8mの無名峰(三等三角点:点名 椴山)。椴山の点名はこの山にトド松が多いことに因るのであろうか?
小樽方面より赤井川村に向かい,キロロスキー場分岐の先、「落合」地区で国道が余市川を渡る地点(落合橋)から入山。 適当な駐車スペースがないので除雪して駐車。
余市川に沿った林道から椴山の尾根末端に取りつく。林道は尾根末端を巻くように進むが
登りはじめてすぐに出てくる小沢で林道を離れ真っ直ぐに椴山を目指す。 高圧線の下をくぐり、 標高555mあたりで林道を横切り椴山を目指す。
下のほうでは植林されたとど松林を見たが頂上が近くなると大きなとど松が現れてくる。さすが椴山だ。椴山は左斜面を巻く、
標高800m手前から斜面左手にコースをとり、 樺山西側斜面を810〜820mあたりで通過し、911mと右側のコルの間を抜けると、 正面に頂上が見えてくる。
椴山の頂上へ登ったことがなかったので今回は椴山の頂上を踏む。このため10〜20分程度余計に時間がかかってしまった。椴山頂上を割愛すると3時間20〜30分程度で
阿女鱒岳頂上へ到達できたであろう。阿女鱒岳頂上への疎林の斜面は急な登りである。頂上からは広い展望が開け周りの山を見渡せる。
余市岳を始め無意根山や羊蹄山、遠くに積丹岳に余別岳まで見えている。
下りは椴山頂上下部810m付近をトラーバスして下ったが、雪が重く傾斜の緩いところは歩きで帰りも意外と時間がかってしまった。
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